コベルコ建機様より新バックホーが納車されました。
弊社初の2ペダル式の回転フォークなので慣れるまで大変ですが、これからの活躍を期待しています。
前車も稼働時間が20,000時間を超え、あちらこちらに修繕が必要になりましたので、オーバーホールの為回送されていきました。
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スクラップを選別している中で煩わしいものは数多くありますが、今回はその中でもトップクラスに面倒なビスについてのお話です。ビスという製品の特性上ある程度の耐久性が必要なので、使用出来る金属の種類は限られています。その中でほとんどのビスに使われている鉄、ステンレス、真鍮の3種類について解説します。
① 鉄
鉄(クロームを含む)のビスは基本的に磁石にくっつくので判別は比較的簡単です。メッキや塗料が付いたものでも磁石に当てさえすれば、引っ張られるので誰がやっても同じです。しかし鉄以外のビスが残った場合が厄介なのです。
② ステンレス
ステンレス製のビスは銀色の光沢があるので、簡単に見分けられそうに思いますが・・・ 下の写真をご覧ください。
こちらの二種類のビスはどちらもステンレス製に見えます。
Aのビスを削って見ると、白い地金が出てきた。
こちらは見た目どおりステンレスだった。
Bのビスを削ってみると、黄色い地金が出てきた。
こちらは真鍮メッキしたものだった。
つまりAのビスはステンレス、Bのビスはメッキ真鍮だった。
③ 真鍮
真鍮=黄色のイメージですが、中にはその概念を覆すものも存在します。
続いてこちらのビス二種類。どちらも真鍮のビスに見える。
Cのビスを削ってみると黄色い地金が出てきたので、こちらは真鍮製。
Dのビスは削ると白い地金が出てきた。
こちらはステンレスのビスに真鍮に似た塗装がしてあるものだった。
Cは真鍮、Dは真鍮に似せて作られたステンレスだった。
上で検証したステンレスのビスと合わせて並べてみた。
写真では伝わりにくいが、ビスの頭は7㎜ほどである。
この4種類の混入にはご注意を。
上で解説したように磁石に付くもの以外では
A:銀色の光沢のあるステンレスのビス
B:一見ステンレスに見えるメッキ真鍮のビス
C:黄色い見た目の真鍮のビス
D:一見真鍮に見える色のステンレスのビス
という4パターンのビスが存在しており、対になるナットやワッシャーなども同じ様に見た目だけでは判別できません。これらは一つ一つが小さく、軽いので分別が非常に困難な為、なるべくやすりなどで削ってみてから選別するようにお願いします。
という訳で今回は奥深き『ビスの世界』でした。ではまた次回・・・。
スクラップの中で、ステンレスといえば通常、流通量の多いSUS304のことを指しますが、ステンレスと名の付く鋼材は200種類以上あると言われています。今回はこのステンレスについて大まかに説明したいと思ます。
ステンレスは鉄(Fe)とクロム(Cr)から成る合金で、そこに別の金属を添加することで様々な特徴を持ち始めます。スクラップとして大別すると、磁性がなくニッケル(Ni)を含むSUS300系と、磁性を持ちニッケルを含まないSUS400系に分けられます。スクラップ業では便宜上300系をステンレス、400系をクロームと呼んでいます。一般的に300系はニッケルをはじめとしたレアメタルを含んでいるため、400系よりも高価ですが腐食や耐久性に優れています。
それでは300系と400系の代表的な種類を紹介していきたいと思います。
300系ステンレス
組成(鉄以外の割合) | 特徴 | |
---|---|---|
SUS304 | 18Cr-8Ni | 300系の中で代表的なもので、スクラップでステンレスと言えばこれを指す |
SUS310 | 25Cr-20Ni | 耐熱、耐食性に優れており、燃焼装置や航空部品に使われている |
SUS316 | 18Cr-12Niー2Mo | 海水などの腐食に強く、配管や船舶部品などに使われている |
400系ステンレス
組成(鉄以外の割合) | 特徴 | |
---|---|---|
SUS430 |
18Cr | 400系の代表的な鋼種で厨房器具など幅広く使われている。通称18クローム |
SUS410 | 13Cr |
クロム含有量が少なく安価。刃物などに使われている |
ここまでは300系と400系の鋼種の紹介をしましたが、それぞれの代表的な鋼種であるSUS304と18クロームについて違いを簡単な表にしてみましたので比較してみて下さい。
SUS304 | SUS430 | |
---|---|---|
組成 | クロムとニッケル | クロムのみ |
磁性 | 無 | 有 |
耐食性 | 優 | 鉄より優れているが、304には劣る |
価格 | 高 | 低 |
別名 | 18-8ステンレス | 18クローム |
今回は非常に似ている二つの金属、SUS304と18クロームについて紹介させて頂きました。二つはステンレスというくくりでは同じ仲間ですが、スクラップとしては別物だということです。
判別できない時は磁石を当ててみて下さい。磁石が付けばクローム、付かなければステンレス304ということになります。私達専門業者でも目視だけで判別するのはかなり難しいので磁石を使っています。とにかく『ステンレスを見たら磁石を当てる』これを習慣付けていただければ一番かと思います。それではまた次回。
弊社で扱っているスクラップの中に給湯器とボイラーがあります。今回はよく似ている二つの違いを詳しく説明したいと思います。
給湯器は読んで字の如くお湯を供給する器具という意味ですが、ボイラーはボイル【(boil)液体を沸騰させる】という意味の英語からきています。つまりこの二つは本来は同じ意味をもっています。しかしスクラップ業界では便宜上別々の品目として定義されています。
1. 給湯器
別名湯沸し器とも呼ばれ、主にガス給湯器に多いタイプのスクラップ。外側の蓋を開けると、四角い銅製の内釜が入っているものを指す。屋外用の大型のものから、屋内用の小型のものも含まれる。銅の評価が多少あるので、下記のボイラーより価値は高い。
2. ボイラー
主に灯油用給湯器に多いタイプで、内釜が銅製ではなく、円筒形のステンレス製のもの。銅の評価がほぼ無い為、価値は低い。
大きさは違うが形状はほぼ同じなので、判別しにくい。
蓋を開けて見比べると分かりやすい。
左側の縁で囲んだ部分が銅製の釜。
一方右側の縦長の円筒状の釜はステンレス製。
屋内用の小型給湯器。
かつては主流だったが、現在はあまり見かけなくなってきている。
開けてみると円で囲った部分にメッキされた銅釜が入っている。
全体の銅率は屋外型より高いが、買い取り単価は同額。
非常に似ているこの二つですが、ビスで止まっているだけなので蓋を開ければ一目瞭然です。どちらか迷った時には開けて確認して下さい。
今回はよく似た給湯器とボイラーのお話でした。それではまた次回...。