あなたの知らないビスの世界
スクラップを選別している中で煩わしいものは数多くありますが、今回はその中でもトップクラスに面倒なビスについてのお話です。ビスという製品の特性上ある程度の耐久性が必要なので、使用出来る金属の種類は限られています。その中でほとんどのビスに使われている鉄、ステンレス、真鍮の3種類について解説します。
① 鉄
鉄(クロームを含む)のビスは基本的に磁石にくっつくので判別は比較的簡単です。メッキや塗料が付いたものでも磁石に当てさえすれば、引っ張られるので誰がやっても同じです。しかし鉄以外のビスが残った場合が厄介なのです。
② ステンレス
ステンレス製のビスは銀色の光沢があるので、簡単に見分けられそうに思いますが・・・ 下の写真をご覧ください。
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こちらの二種類のビスはどちらもステンレス製に見えます。
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Aのビスを削って見ると、白い地金が出てきた。
こちらは見た目どおりステンレスだった。 -
Bのビスを削ってみると、黄色い地金が出てきた。
こちらは真鍮メッキしたものだった。 -
つまりAのビスはステンレス、Bのビスはメッキ真鍮だった。
③ 真鍮
真鍮=黄色のイメージですが、中にはその概念を覆すものも存在します。
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続いてこちらのビス二種類。どちらも真鍮のビスに見える。
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Cのビスを削ってみると黄色い地金が出てきたので、こちらは真鍮製。
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Dのビスは削ると白い地金が出てきた。
こちらはステンレスのビスに真鍮に似た塗装がしてあるものだった。 -
Cは真鍮、Dは真鍮に似せて作られたステンレスだった。
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上で検証したステンレスのビスと合わせて並べてみた。
写真では伝わりにくいが、ビスの頭は7㎜ほどである。
この4種類の混入にはご注意を。
上で解説したように磁石に付くもの以外では
A:銀色の光沢のあるステンレスのビス
B:一見ステンレスに見えるメッキ真鍮のビス
C:黄色い見た目の真鍮のビス
D:一見真鍮に見える色のステンレスのビス
という4パターンのビスが存在しており、対になるナットやワッシャーなども同じ様に見た目だけでは判別できません。これらは一つ一つが小さく、軽いので分別が非常に困難な為、なるべくやすりなどで削ってみてから選別するようにお願いします。
という訳で今回は奥深き『ビスの世界』でした。ではまた次回・・・。