スクラップの選別

 お客様から『これは何の金属?』という質問を受けますが、ぱっと見で私達でも見分けるのは難しい場合があります。そういう時のためのテクニックをお話します。 ということで、今回のテーマは 【選別】 です。

 私はスクラップ業をやっていく上で最も大切な技術は 『この金属は何か?』 という目利き 能力だと思っています。メーカーに納入するときにも異物の混入の防止にもなりますし、スクラップの中から価値のあるものを拾い出すこともできます。とにかく目が利かない事には持ち込まれたスクラップの検収もできないので大雑把にでも見分ける技術が必要になってきます。目だけで見分けるには限界があるので、弊社ではひみつ道具を使っているのでいくつかご紹介します。

 

① 磁石

 

 金属には大きく鉄と非鉄に分類されます。弊社では一部例外を除いて磁石に付くものを鉄、付かないものを非鉄としています。見た目に惑わされずに磁性のあるものを選別するのに非常に有効です。とにかく良くわからない金属があったらまず磁石を近づけてみることをお勧めします。

 

② やすり

 

 ①で磁石にくっつかなかった場合、表面の色だけでは判別できない時にやすりで削ってみてください。地金の色が出てくるので判断しやすくなります。特にメッキものや塗料がついたものなどは削らないと判断できないものがほとんどです。

 

③ グラインダー等

 

 やすりで削っても判断が付きにくいものは、電源がとれるならグラインダーや高速カッターなどで、火花が出るか試してみてください。ステンレスやチタンなどは火花が出るので判別が簡単です。

以上の3つの道具があれば、おおよそ分別ができると思います。それでも良くわからないという場合は弊社までお尋ねください。

 

スクラップ分類早見表   

  磁石に付く 地金の色 火花の有無・色 その他特徴
サビが出る
アルミ × × 比重が軽い
ステンレス × サビにくい
× × 腐食すると緑色
真鍮 × × 腐食すると茶色
砲金 × × 腐食すると緑色
× × 比重は高い(重い)・柔らかい
亜鉛 × 青白 × アルミと比べると重い
チタン × 比重が軽い
クローム ステンレスに酷似

 


2016年10月03日