プルタブ

 飲料缶などの封を開けるために取り付けられているプルタブ(プルトップ)ですが、以前は引き抜くようなタイプのもので、私も小学生の頃使った記憶があります。しかし今ではほとんど見かけることはなくなりました。現在の主流は外れないようにタブを起こして戻すタイプ(ステイオン)です。ではなぜ旧タイプは使われなくなったのでしょうか?

①環境問題

 1990年頃までは下の写真の様な外れるタイプのプルタブが主流でした。封を開けて飲み終わるまでにポイ捨てする人が後を絶たなかったため、タバコの吸い殻のようにそこら中に散乱していたそうです。本来は飲み終えた後、開け口から缶に入れておくのが正しいようです。

②リサイクル率

 アルミ缶リサイクル協会という団体が毎年アルミ缶のリサイクル率を発表していますが、1990年以前は50%を切っていました。つまり残りはゴミとして捨てられていたのです。そこで少しでもリサイクル率を向上させるため、外れないタイプのものが開発され徐々に普及していきました。もちろん缶そのもののリサイクル率も低かったのですが、自治体の資源回収などでの分別や、学校などでの啓蒙活動によって少しずつ消費者の意識が向上し、その結果2015(平成27)年度では(リサイクル率は)90.1%まで上昇しました。

 つまり環境問題とリサイクル率の向上を一気に解決できる一石二鳥のアイデアだったと言えます。しかし一部の持ち込みされるお客様の中にはプルタブをわざわざ外して来る方もいらっしゃいますが、意味のない行為ですのでおやめ下さい。弊社ではプルタブのみの買い取りは行っておりませんのでご了承ください。

 空き缶のはなしで書いたように、『プルタブで車イスを!』という話は、かつてゴミとして捨てられていた旧式のプルタブを集めて、散乱しないようにするという目的のからスタートしたようです。現在でも一部の慈善団体の方はプルタブのみの回収を行っているようですので、『寄付』という目的であればそちらの方にお運び頂いた方がよろしいかと思います。ですが弊社はあくまで『買取』ですので、プルタブは外さず缶のままお持込ください。
 長くなりましたが今までの話で一番お伝えしたかったことは

『プルタブを外さないで!』

と、いうことでした。今回は空き缶とは切っても切れないプルタブのお話でした。それではまた次回。

2017年01月12日