前回は高く売れる鉄とは?というテーマで、鉄スクラップの【歩留り】についてでしたが、今回は【サイズ】のお話です。
通常スクラップ業では品物を買い取り(仕入)、それをメーカーなどに販売して利益を得るというビジネスモデルです。しかし全てのスクラップがそのままの形で納入できるわけではありません。買取品目の鉄のページでもお話ししましたが、メーカーごとの受入可能な規格が存在し(炉前)、それに合わせて我々スクラップ業者は様々な方法で加工しています。そして加工したもの(する必要のないもの)を甲山と呼びます。
ただし、加工するには設備や人件費等のコストがかかるために、サイズの大きいものはあらかじめ買い取り単価を低く設定してあります。つまり加工の手間がなければその分高く買い取りできる事になります。
それでは高く売るにはどうすれば良いか、
① サイズの小さいものだけをまとめておく(弊社では1000㎜以内)
② サイズの大きいものは可能な限り切断、分解しておく
の二種類の方法があり、①は選別するだけですが、②は道具が必要だったり、手間がかかるので、あまりお勧めできません。
品目ごとの一例
サイズ | 加工方法 | 価格 | 特徴 | 具体例 | |
---|---|---|---|---|---|
甲山 | 1000㎜以下 | 不要 | 高 | 加工不要の為、高額買取 | ボルト、ホイール、クランプ |
ギロチン材 | 1000㎜以上 | ギロチン加工 | 中 | 大量かつ迅速に加工可能 | H鋼、パイプ、トタン |
ガス切り材 | 〃 | ガス溶断加工 | 低 |
加工に手間がかかる | 大型機械 |
弊社は鉄スクラップを甲山に加工し、最終的にメーカーに納めることを目的としてます。そのためスクラップの値段は甲山価格から加工費を差し引いたものを買取単価としており、加工の手間がかからないもの=高い、 手間がかかるもの=安い とイメージしていただけると分かりやすいでしょう。
今回は鉄スクラップの 【サイズ】と 【加工】 のお話でした。それではまた次回…。