鉄のお話 ①

 よくお客様から「今、鉄(スクラップ)っていくら~?」というお問い合わせをいただくことがあります。その時私共は「どんな鉄ですか?
」と聞くことにしています。 「鉄」 といっても様々な種類があるので、当然単価も変わってきます。
 今回のお話は、ズバリ! 高く売れる鉄とは? というテーマです。

 

 鉄スクラップの世界では 【歩留り(ぶどまり)】という言葉がありますが、これはスクラップからどれだけの鉄が取り出せるか?という指標のことです。スクラップは基本的に工場などから出る新くず以外は、製品として役目を終えたものがほとんどなので、塗料やゴミなどの不純物がついています。仮に1トンのスクラップが二種類あったとして、それぞれを炉に入れて溶かした時に900キロの製品が出来上がるものと、800キロしか出来ないものがあるとすれば、900キロのものの方が歩留りが高いということになります。

 ではどんなものが歩留りが高いのか?それはつまり 【厚みのあるもの】 になります。無垢材などは不純物は表面にしか付着しないのでかなりの歩留りの高さがあります。逆にトタンなどの薄いものは表面に塗装してある部分の比重がきいので歩留りは低いとされています。厚みのあるものは上物(うわもの)、薄いものを裾物(すそもの)と呼び、単価におけるランク付けの目安にもなっています。

 

ランク 具体例
歩留り 単価
H鋼、シートパイル、鉄筋太物、金型
アングル、チャンネル、コラム、単管パイプ

トタン、軽テン、鉄バンド、番線

 

 

 つまり鉄スクラップにおいては、【厚い】=【高い】、【薄い】=【安い】 というルールが存在します。これを踏まえて、スクラップを持ち込む時はなるべく厚みのあるものだけでまとめておくと、高く検収(スクラップの内容を評価すること)してもらえることに繋がります。一度お試ししてみてはいかがでしょう?

 今回は鉄スクラップの【歩留り】というお話でした。この続きはまた次回…。

 

 

2016年09月01日